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トラベルメイトトラベルメイト98

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「トラベルメイト98」
  1. 【 日本の海外旅行の歴史8 】

    (7)での補足をしておきます。

    1)「ヨーロッパユースホステルの旅」ブルーガイドブック1969年発行
     料金380円(三百八十円です。時代です)辻井重著   *この辻井さん、64年の旅行自由化の年から大阪のユースホステル協会内に海外旅行研究会を作って、海外個人旅行の普及に努めた人です。私などとの接点は、68年くらいで友人に紹介されて、海外旅行券の会合に参加したのが初めてです。中心はやはりシベリア鉄道利用のヨーロッパで、次に北米アメリカ、インドに旅行したかった私には何とも居ずらい所でした。誰もインドに行った人はいなくて、「そういえば田中さん中近東を回ってインド経由で日本に帰ってきたはずだから、次回の会合来るかもしれないのでその頃きてみたら。」という感じで、なかなか情報を集めるのが大変でした。 たまたま場違いに紛れ込んできた「安く東南アジアで女遊びをしてきた、か、したいか、」のおっさんと二人で(どちらだったか覚えてませんが)会場の隅でいじけておりました。 その後、東京でも石田、杉本両氏によって77年「東京海外旅行研究会」設立、現在に至ってます。大阪の海外旅行研究会は辻井氏多忙のため70年代後半に解散したと聞いておりますが、どうでしょう。(詳しいこと知ってる人いたらレスつけてください)

    2)オデッセイ
     最初の発行は1976年、当初は手書きの謄写印刷のもので(いわゆる、ガリ版刷り)一冊300円くらい。78年より印刷したものになりました。季刊で、割合不定期刊でした、気分刊(こんなこと言うと怒られるかもしれませんが)がぴったりの、マニアの間では引っ張りだこの雑誌でした。 元編集長の人、在庫があるかもしれないと言ってましたので、手に入れたい人は私宛(HFH03734 森脇宛に)メールください。少なくとも60〜80号くらいの発行回数はあったように記憶してます。詳しく調べていませんので、100%手にはいるかどうかは解りませんが。(ただではありませんよ、たぶん?) もちろん物価などのデーターは使えなくなっていますが、地球の歩き方以前の「センカンブリア時代」の旅行者の声が聞けます。

     やっと本筋に戻りまして実用的な話が始まります。旅行にはどういうものがあるのでしょう。よく個人旅行と団体旅行なんて使い方がされますが内容は書いている本人も読んでいる読者も暗黙の了解的なものがあって実際なんなのと聞かれると「うっ」と詰まってしまいます。このあたりから始めましょう。 そして1964年以降それらがどう変化していったか、このあたりを知るといかに今までの気分で書かれた旅行記とかガイドブックがインチキとは言わないまでもいいかげんなものか解ると思います。(おっと、この連載のポリシーは「いいかげん」だったですねうーん、こまりましたね。この連載がいいかげんなのは許すとして、ほかがいいかげんなのは許さないポリシーといい変えておいた方がいいかもしれません)

     まず目的地を旅行するのに、たくさんで回るのか個人で回るのかで団体旅行か個人旅行かに分かれます。団体旅行でも一般公募のパッケージツアーの場合、人数だけを見ると15人とか20人の団体ですが、参加者の単位を見ると2〜3人の小グループが何個か集まって団体になるケースがほとんどです。 パリなどで団体がバスに乗っているのだけを見るとひとまとめになった20人の同質のものに見えますが、彼ら自身からすればあくまでバラバラの個人個人がたまたま一つのパッケージに申し込んだだけで、一つの団体に属しているという感覚はありません。それに最近はパッケージにも自由行動日が多くなってますし。リュックを担いだ(最近ではリュックとはあまり言いませんね、バックパックを担いだといった方がよいのかもしれません)個人旅行者にとっては、20人が均一の一つの団体であってほしいのでしょうが。

     逆に20人の団体バスからガラス越しに見えるバックパッカーも、ほとんどがあの黄色い「地球の歩き方」か最近では黒の「個人旅行シリーズ」(昭文社刊)をもって、そこに書いてある同じようなエコノミーな宿に泊まり、おきまりのリーズナブルなレストランで食事をとり、同じような観光のコースをたどっているように彼らからは見えます。違いは、極端な話貸し切りバスでガイド付きで効率よく回るか、パブリックバスで時間がかかってもいいから安く回るかの違いです。 泊まるホテルにしても、団体旅行は庶民からかけはまれた高級ホテルに泊まって現地の文化にもふれずなんて非難がましいことを言う個人自由旅行の人がいますが、なに彼ら自身の泊まっている安宿も違った意味で庶民からかけ離れた場所なのです。そこの地域で生活している庶民は、安宿など泊まりませんし泊まる必要もありません。(外人専用の安宿があったとして、ほんの両隣のご近所とかコンビニの店員、最寄り駅の係員くらいが接点でしょう、結局外人旅行者って通りすがりの人ですしね)かえって、経済水準が上がってきた国は庶民が、高級ホテルに行く回数は増えても、安宿に行く回数が増えることはあまりありません。

     「目くそ鼻くそを笑う」「目やに耳くそを笑う」「同じ穴の狢」「一つ穴の狐」そういうわけで、団体旅行も個人旅行も旅行の種類の分け方としては人数が多いか少ないかだけの違いで、わざわざ分類して説明するだけのことはありません。ただし、これから説明する格安航空券の話では、団体の方が個人より安くなるという意味での使い方はちょくちょくでてきます。よく団体パッケージ旅行といわれる、パッケージ旅行こちらは説明しておく必要があります。

     すみませんまた脱線してしまいましたね。なかなか実践航空券ガイドまでたどり着けません。今度こそ次の項で始めます。

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