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トラベルメイトトラベルメイト98

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「トラベルメイト98」
  1. 【 旅行トラブル実践編:出発当日番外編(2) 】

     そいつら知ってます。デリーの空港でコントロールオフィス最後までもめてたの見てましたから。

    オフィスで私らも全員のボーディングパスもらうの大変だったんです。私らの場合、現在旅行中のメンバー表と、予約で載っているメンバーとが微妙にずれていたのです。それで名前全部あわせて人数チェックして、同姓同名がいて手間取ったり、時間はかかったのですが最終的にはなんの問題もなく終わりました。

     彼らの場合、元々帰国の途中からの席がなかった訳ですからすったもんだは当然します。「プリーズ」と「ノー、ノー、インポシブル」の応酬が続いていましたので同じ事務所で手続きしてる私らも何やってるかわかります。

    「香港から東京までOK取れないまま乗ってきたのは、私らのグループじゃない ですよ。10人ほどのこじんまりしたグループです。」

    スチュウワデス
    「そうですか、でも席無いんですよ。」

    私はここでチョットした賭けにでてみました。
    「いいですかもし降りるとしても、メンバー全員の意見聞かなくてはなりません。でもしそれなら全員降りると言い出したら、あんたん所ホテル代交通費夕食と明日の朝食代全部出してくれますか?」

    スチュウワデスさんの顔ぱっと明るくなりました。香港でオーバーブックの人は5名ではなくもっといたようで、もし15,6人ここで降りてくれれば少なくとも今日は丸く収まるそんな顔でした。
    「いいんですか、メンバーの人にチョット聞いてもらえないでしょうか。」


    「聞くだけは聞いてみましょうか、でも全員は無理かも知れないし、うまく説得できてほとんどの人が降りると言ったら絶対ホテル代とか食事代負担できますか。今ここで説得始めると後戻りできませんよ。」

    スチュウワデス
    「ええ、もし聞いてみていただけるなら!」


    「ホント、いいですか、全部で87名いますけど」

    スチュウワデス
    「えっ、10人じゃないんですか?」


    「私入れて88人です。10人なのはあそこのグループでたぶん香港/東京取れてないまま乗ってきたのもあそこですよ。」

     私は4列後に座っている、そのグループの添乗員指さして言いました。声は聞こえなかったようですが、大体何私が話しているかわかったらしく、いやーな顔してこちらをにらんでいます。

    知るかよー、おまえらのおかげでもめてんだよ!知らん顔して座ってんじゃなくてこっちへ来て説明しろよ。

    スチュウワデス
    「何とかもう一度調整してみます。チョットこのままお待ち下さい。」スチュウワデスさん小走りに機体前方部分に向かって走って消えました。後に残された私達、あのグループ、もう座ってしまった香港からのお客(中国の人みたいでした)、三竦みです。気まずい雰囲気流れ始めました。

     そこへやっと、スチュウワデスさん帰ってきました。

    「お待たせしました、元の座席お座りになって下さい。」

     そう言うと座っていた2人に荷物持たせると、前の方へ連れていきました。たぶん、あの2人はビジネスクラスに座ったのではないでしょうか。ビジネスクラスも先ほど見たところでは空いてませんでしたから、2人ファーストクラスに代わってもらい、そこへ押し込んだようです。

     このフライト、最終的には何とか調整付いた模様で係り員何にも言ってこなくなりました。

    隣の席の公務員さんほっとしたように話しかけました。
    「危なかったですね。」


    「イヤー荷物ひっぱりっこしていただいたおかげでここに残れましたよ。まあで も、席いっぱいになったらいったん機体前後に揺すったら、空き出来ますから 何とか人数分収まってしまいますけど。飛行機も満員の電車と一緒ですよ。」

    周りの連中に受けました。

     いつもこんないい加減な事になるとは限りませんが、そうはかっちりと流れるようなシステムの運用でもありません。判断とか予想の出来ないことが起こったときは「旅行業界も航空業界も”出たとこ勝負”が基本」になることは覚えておいて下さい。そんなの冗談じゃねーよと思う方、通常のコストの海外旅行は参加しない方がよろしいです。

     航空機は45分遅れてカイタック空港を飛び立ちました。一斉に拍手と歓声が上がりました。特に88名のインド帰りのグループからは割れんばかりの拍手と歓声が送られました。

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