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トラベルメイトトラベルメイト98

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「トラベルメイト98」
  1. 【 最近の旅行者(5) 】

     私達も最初のころ60年後半から70年前半にかけて、力(りきと読んで下さい)入れて個人旅行を、薦めてました。どんな人にも、どんな期間でも、どんな予算でも薦める言葉は一つ「団体旅行より個人旅行の方がいいですよ、予算安くできて第一面白いですから」

     そしてその底には、団体旅行は団体で行動するから恥ずかしい−−−それに引き換え個人旅行は一匹狼だからかっこいい−−だから個人旅行は良い、と言う風な三段論法があったように思います。

     もう少し、カッコつけた文体にするなら、団体旅行は日本人特有の村意識の現れ外国でまで恥になるようなことしなくともよい−−−個人旅行はまだ少数の人しかしてないし外人は40才50才でも個人旅行してる人いる−−−だから個人旅行はかっこいい。

     70年も後半になってくるとこう単純に割り切ってしまえないところが見えてきました。外人だって団体旅行している(この頃の外人というのは、外国人という本来の意味ではなく悪い言葉で言えば毛唐で表される人達、カラードの人達は概念の中に入ってませんでした)、そればかりかアメリカ人は日本とか東南アジアでは態度でかいけど、ヨーロッパ特にパリ等では、借りてきた猫のようにおとなしい。

     80年代後半くらいから増え始めた、東南アジアからの団体旅行者胸にツアーのバッジ付けてガイドの先導で観光してました。東京デズニーランド、新宿の西口、四谷の薬屋、秋葉原、タイも台湾の人も韓国の人もみんな日本の農耕民族の村社会から来る団体行動だったのでしょうか。

     そうすると少なくとも、団体旅行は日本人特有の村意識とか島国根性ではないことになります。パリのアメリカ人はきっとアイダホのポテト農家の団体だったのでしょう。アメリカでも、アイダホ州は日本人らしい村社会の特徴持った土地なのかもしれません。

     海外旅行者がほんの少数の時は、個人旅行者はメディアでは否定的な取り扱いをされてました。それ以上に事故とか犯罪でも犯さなければ記事に取り上げてはもらえません。かろうじて公共団体からの派遣交流とか、大学の正式な部活動の探検とかが、さわやかに海外に出て頑張る若者群像的なとらえられ方で文化欄あたりに載ったのです。

     個人で金を十分に持たずに、はっきりした目的なしに出かける海外旅行はメディアの大部分からは、望まれてない好ましくない無視されるべき物の範疇に入ってました。

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