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トラベルメイトトラベルメイト98

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「トラベルメイト98」
  1. 【 最近の旅行者(7) 】

     「タテ社会に甘えんな」OSを頭の中に持った私らは海外で、日本人ってサーと話し始めてその後に、誇れる形容詞が自分の頭の中に何も無いことに気づいたのです。自信が無く自分が誇れない私達であっても、そのままではあまりにも惨めでした。

     惨めなままなら旅行が面白くも何ともありません。ならば、何でもいいから元気にならなければなりません。何も前が一歩も見えないならそこでとどまってとにかく耐えねばなりませんでした。

     3ヶ月耐えきれば何とか目鼻が付いて一応の格好は付けられるようにはなりました。空元気ではあっても、元気には成れました。こんだけ苦労したのだから自分は少しは生まれ変わってるに違いない、次にはそう思いました。

     それを証明するにはどうすればいいか、そうだ自分らと毛色の変わってる団体旅行の連中と自分たちがいかにかけ離れてるかを説明できればいい、そう思いました。出発前から「日本人は独創性が無く団体行動で...。」のフレーズには慣れてましたので。

     結局自分たちをうまくは説明は出来ませんでした。たまに見かける(今のようにたくさん団体さん来ませんでしたから)団体さんと比較検討しても、私達を説明したことにはなりません。自分を説明できなくとも相手が自分より数段下だと説明できれば一時しのぎにはなります。

     これは私らびっくりするくらい簡単でした、私達を「日本人は」と括弧付きでくくれる枠から出して、アンタッチャブルにすればよかったのです。代わりに、団体旅行者を、「日本人は」の括弧の中にドラッグ、アンドドロップすれば、自動的に、団体客は個性が無く、現地の文化とふれあいもせず、古い村社会の考えを引きずって.....、と、いっぱしの理論が出来上がりです。

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