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トラベルメイト片山くんが行く

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  1. 【 片山くんが行く(17) 】

    河本「片山、今いくら持ってる?」

    私「ちょっと待ってな、さっきYHへ払った分と、昨日の晩飯代引くと、まだク  ローネに交換してないドルが50ドルと、3クローネかな」

    河本は手帳を引っぱり出して計算しています。

    河本「俺は、もうちょっとあるな、えーと、ドルが56ドルに、5クローネと言   うところだな」

     なんだ二人あわせたら100$はまだ越えるお金があります。野宿して宿泊費を使わなければ、20日間は大丈夫です。どうせこれだけでは日本へは帰れません。働き口を探すしか方法はありません。20日も後のことは、今心配してもしょうがないことです。

     せっかく朝のんびりとした時間が過ごせそうです。午後も身軽な体で働き口を探したいじゃないですか!もう一泊だけ贅沢をすることにしました。ついでに近所のコーヒショップで朝飯を食べることにしました。昨日屋根の下のベッドに寝ました。今日は、食事も屋根の下のテーブルでとります。久しぶりの卵料理とコーヒーでした。久々の牛乳以外のタンパク質が体に入りました。うまいです、今まで卵がこんなにうまいと思ったことはありません。鶏の味がちゃんとしましたし、だしの味さえ感じました。

     午後からの就職活動は相変わらずです。「ソーリー」「ソーリー」「ソーリー」。今日はいつもと違って卵パワーで、気分が乗ってます。YHへ帰ってからもそうは落ち込みませんでした。

     同室にはこれからイタリアへ帰る旅行者が泊まっていました。ほんの2週間前までコペンで働いていたとのこと、これからもうちょっとコペンに滞在してからイタリアへ帰る予定だそうです。

     みなさんも体験したことはあるとは思いますが、英語が母国語の人達と話すときはよほど流暢にしゃべれないと通じません。ところが英語が母国語ではない国の連中例えば、イタリア人とかスペイン人フランス人などと話すときは、お互いシンプルな単語しか知らないので案外通じ合ってしまいます。今回もそうでした。河本も交えて話が弾みました。河本は私よりかなり英語の単語力は有りましたので、話ははかどりました。

     彼のアドバイスによれば、私たちはちょっと的外れの所に職探しに行っていた様です。皿洗いの職探すのなら、中級以上のホテルの厨房が案外人手が必要で、たぶん中華料理店を回るよりチャンスはもっとあるだろうと言うことでした。

     彼の働いていたホテルを紹介してもらおうとしたのですが、そこはかなり大きなホテルで今のところ欠員はなさそうだし、正式な労働許可証を持ってないと働けないだろう、あんたら許可証持ってるかと逆に聞かれてしまいました。

     自慢じゃないけど、有るはず有りません。

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