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トラベルメイト片山くんが行く

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  1. 【 片山くんが行く(42) 】

     イブ君の家は歩いて20分ちょっとの所にありました。外は小雨が降っていました。イブ君のお袋さんは英語があまりうまくなさそうで、私達との話は日本から来たことと、コペンハーゲンはもう一ヶ月ちょっとになる、イブ君と同じホテルで働いている、外は雨ですね、このくらいで終わってしまいました。

     あとはイブ君に私達のことを聞いているようです。そうこうしてるうち彼らの家に到着しました。今まで住んでいたところは、お店として設計された場所の一角でした。その裏側に、なんというか、一口で言えば西洋風長屋が続いていたのですが、その長屋そっくりの家でした。

     玄関入ってすぐ居間があり、おくに台所、それ以外に部屋が二つか三つありました。ここには生活の臭いがありました。コペンハーゲンに来てからすぐは野宿ですから芝生の草の香りと埃の臭い。職場はレストランですから食べ物のにおいと水のにおいそれにゴミの臭い。

     私はトイレ掃除もしましたから、日本ほど強烈ではないにせよトイレの臭い。ここにはイブ君の家の香りがします。一気に緊張感が和らぎました。自分では自覚はしてませんがずーっと日本出てから緊張のしっぱなし、アドレナリン垂れ流し状態だったようです。

    私「河本よ、いいのかな、お世話になって。悪いよな」

    河本「まあそうだけど、今晩はしょうがないんじゃないの。」

    私「そうだなー、明日オーレと話し合って見るしかないけど、きょうはしょうがないよなー」

    ホントに、しょうがないことでした。突然のトラブルで、でも明日からのことを考えると気が重いです。あいつら追い出せるか、それとも私達がでるか。でた場合明日から宿泊費自分持ちです。当座はケンさんの所にデモにでも転がり込むか!

    イブ「夕食まだだよね」

     そうだまだ夕食、食べてません。さっきからずうーと喧嘩しっぱなしですから、忘れてました。

    私「近くにレストランあれば教えて、」

    イブ「君たちの食べる分あるから大丈夫だよ」

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