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田森くんは西へ Index page へ

vol.095 ラオス (17)

今、ダムの風景を思い出そうとしているのですが、ほぼ30年前の事です。どうしてもダムのイメージが思い出せません。工事中は工事中だったのですが、どの程度進んでいたのか、水は満々とたまっていたのか、あるいは川底にコンクリートの基礎が打ち込み始められた時だったのか。  

はっきりと覚えているのは、トタン板の屋根の宿舎が数棟建っていて、軒下にロープを張って洗濯物が干してある光景です。車が宿舎の前の広場に到着すると、事務所らしい部屋から中年のおじさんが迎えに出てきました。

「関崎君、ご苦労さん、この人たちが無銭旅行中の学生さんかね。」
関崎「あっ、そうです。こちらが田森くんで、こちらが中村君。えっと青学だったのはどちらだっけ、中村君のほうか。青木さん青学ですから彼後輩ですよ。」
おじさん「そうかね、そうかね、ま、よく来たよ。部屋は、蚊帳の吊ってある部屋使ってもらえばいい。案内して。」
私「どうもすんません。突然おじゃまして。すんませんがお名前は?」
おじさん「永井です。そりゃそうと、あんた関西出身かね。」
私「生まれはもっと田舎ですが、大阪の大学いってる間にすっかり関西弁が身に付いたんです。」
永井「大阪弁は浸透力強いからな。ま、そんなことはどうでもいいや、荷物おいてシャワー浴びたら、そこでお茶にするから。」

彼が指さしたさきは木のテーブルと椅子がおいて有るベランダでした。そこからは回りの森をバックにのんびりお茶が飲めそうな所です。

私「どうもすんません。30分ほどしたらすぐ来ますので。荷物おいてきます。」