トラベルメイト Top pageワールドフォーラム

田森くんは西へ Index page へ

vol.101 ラオス (23)

永井「最近はこっちも無銭旅行が増えたよね、ラオスはさすがにあまり見かけないけども、バンコックなど掃いて捨てるほどいるね。」  

掃いて捨てるほどは大げさでしたが、マレーシアホテル近辺は特にたくさんいました。ま、日本人に限っていえばそうは多くありませんでした。

私「そうですね、日本からは少ないと思っていたのですが、案外そうでもないです。どこに行っても最初の日は会わなかったとしても、数日いれば誰か日本人に会います。こんな山奥で日本の会社がダム作ってるなんてことも、実際現場に来てみないと分かりませんし。」
永井「ははっ、そりゃそうだ。日本じゃ、こんな所でダム作ってる日本人がいることなんか思っても見ないだろう。」  

そうです、ここに来ている私らだって、タイの国境越えの船の中で初めて聞いたのです。

私「ここのダムの名前なんて言います?」
関崎「ここかい、NAM NGUM DAMだよ」
私「えっ、何て言うんです?」
関崎「ナムグムダム。」
私「はー、そうですか」  

何やら覚えにくい名前です。

関崎「そうだ、そういえば君らがくる前にも日本人の学生らしいのがここに来たことあるよ。永井さん2カ月ほど前ですかね?」
永井「そうそう、もう2カ月くらいになるかな。彼君たちみたいにビエンチャンから車で来たんじゃないんだよね。」
関崎「そうです、そうです。突然歩いてこの事務所に来たんですよね。」
中村「それじゃ、ビエンチャンから歩いてここまで来たんですか?」
関崎「私らも最初はそう思ったよ、普通のバスは本数あまりないし途中の検問で外人は必ずチェックされて、ビエンチャンへ追い返されるからね。歩くかトラック、ヒッチするかどっちかと思ったよ。」
関崎「それで、ここまでどうやってきたのか聞いてみた訳よ。そしたら答えがまたふるってる。あっちから歩いてきました。」   
「あっち、と言ってもジャングルしかないわけですよ、でもう一度確かめまし たよ、ビエンチャンから?」
「そしたらね、答えがまたすごい。いえ、ビエンチャンはこれから行くところです。」   
「そしたらね、もう質問は一つです。ベトナムから来たの?」   
「そしたらね、彼はそうだというわけよ。いい!いまベトナムは戦争の真っ最中だよ、ここだって戦争やってるけど規模が違うのよ。まして、ラオスとベトナムの国境地帯のジャングルを歩いて来たなんてのはどうにもこうにもねー。」

ここまで、関崎さん一気に言うと、水割りを飲みました。