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トラベルメイト田森君は西へ

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田森くんは西へ vol.211

 

インド・カルカッタ (01)

 

飛行機の高度はぐんぐん下がり、遙か前方に空港の滑走路らしい細長い平らな空き地が現れました。斜めに傾きながら機は旋回しながら下降していきます。細い一本の糸のようだった道が、車の走る道路に変わり通行人の姿も見えます。

大きな幹線道路の上を越えると土で造った家の集落が見えてきました。集落の外れには洗濯物が灌木の上に広げて干してあります。子供が飛行機に向かって走り犬もそれについて走ってきます。井戸の周りで数人のおばさん達が水をくんでいます。その内の一人が額に手をかざして上を見上げました。まぶしそうな表情までがわかります。

窓の前方に空港の敷地が突然現れました。翼の幅が見る見る広がっていきます。滑走路の端が見えました。横の格納庫には戦闘機が何基か駐機しています。飛行機は一度ふわっと浮き上がってどすんと地面に着地しました。

インドだ、インドへ着いたんです。

足は相変わらず疼きます。タラップでは人の肩を借りるほどではありませんが手すりを握りびっこを引きながらやっとの思いで降りました。暑い、ビルマほどではありませんが暑い。空港ビルはすすけていました。係員も、空港内の車もバスも、荷物が流れてくるベルトコンベアーも、乗客の私たちも皆、薄汚れていました。

空気は、ほこりっぽいカレーの匂いがしました。エアコンは、利いてたんでしょうか、利いてなかったのでしょうか記憶がありません。天井のばかでかいファンは覚えていますから、エアコンが利いてなかったような気もします。それともむしろに水をかけて、扇風機で風を送りそのときの気化熱で若干冷えた風を送る簡易型の、エアコンだったのでしょうか。

普段なら入国審査とか税関の手続きは緊張するのですが、今回はベテランが2人もいます。私に必要なのは滞在期間の「ワン、マンス」滞在予定先の「YMCA」の言葉だけで、入国審査官の質問はベテランが答えてくれるはずです。安心して手続きのカウンターへ進みました。こんな時に限って何の質問もありません、スムーズに書類の手続きは終わりました。

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