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トラベルメイト田森君は西へ

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田森くんは西へ vol.250

 

インド・カルカッタ (40)

 

4月18日 AM08:00パトナ駅に到着、そこから乗り換えでラクソールです。ビッコ引きながら皆についていきました。私たち以外にも数人外人旅行者がいました。出口を出てかなり歩きました。足がまたうずき始めました。

「高田さん、乗り換えの駅遠いんですか。」
「乗り換えッちゅーより、ガンジス河クルーズだな。」

彼一流の冗談かと思いました。

「手漕ぎボートですか、ガンジスの船曳歌なんかあったりして。」
「あんた冗談だと思ってるだろ、でもホントだぜ。もうちょっと歩けば河見えるから」

それからもかなり歩きました。河が見えてきました。
「なっ、ガンジス河、ここから船で次の駅へ行くんよ」
「えっ、本当だったんですか、船にのんのは。」

船着き場には、アメリカ開拓時代に出てきそうな外輪船が停泊していました。
一時間ほどのガンジスクルーズ、日の光はカンカン照りです。
ガンガの河を風が渡っていきます。

「ガッコン、ガッコン」
外輪車が水をかいていきます。
ガンジスのしぶきが船の上にかかってきます。生臭い。
河を渡っていく風は、河のにおいがついた温風でした。

ひび割れた土手の道を、数人の苦力が荷物満載の船を引いていました。枯れ木のような体からロープが船につながり、船は動いているようには見えません。とっても暑そうで、船曳歌が出そうな世界ではありません。

「インド人よく働くよなー、俺日本で土木関係の仕事してたからこの暑さで動けばどうなるかはよく分かってるけど、しんどさ半端じゃねーよ。食い物もたいしたもん食ってねーし。絶対夜筋肉が痛くてほてって寝れねーよ。」

高田さん、船曳人夫見ながらつぶやくように言いました。

「仕事始めの数日は筋肉痛むけど、そのうち慣れますよ、年末のお歳暮配達のバイトしたことありますけども一週間で慣れましたよ。」

「あのさー、この暑さで日光で、食い物ダルスープと米かチャパティそれも満足な量はくえねーぜ、ちょっと贅沢なおかずは、唐辛子数本、夜の筋肉痛と火照り鎮めるのは一服のガンチャよ。田森さんあんたガンチャは違法でとんでもないもんと思っているだろう。未来が永遠にない人もここインドはいる訳よ、そんなとき一服のガンチャで、体の苦痛鎮めるわけ。」

「俺らのガンチャそれに比べりゃー贅沢なもんだけどな。暑いときは船の上で涼んでるし。」

私、何も言えませんでした。

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