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病の細道

 

第13回 車椅子 (2002/01/06)

 

足の裏のやけどの傷は回復期に入ってきた。昨日で点滴は終わり、今日からは飲み薬にかわる。消毒は一日2回。消毒液に15分漬けて軟膏をぬる。右足小指からかかと側に5センチ、幅3センチほどの傷があり、中心の深いところは1センチくらいある。よくなって来たといっても皮膚が再生するのには数ヶ月以上の時間を要するだろう。

幸いといえるかどうかわからないが、立った時にかかとのように力がかからないので、もうすぐ歩けるようになるかもしれない。右足も少しやけどをしたがこっちは問題ない。いまでも立って歩こ
うとすれば歩けるのだが、傷の再損傷と再感染を防ぐために歩行は禁止されている。大便や検査に行くときは車椅子だ。

いままで体験程度に車椅子に乗ったことはあるが、今回のように本格的なのははじめてだ。車椅子生活がどんなものだか少しだけ分かった。慣れれば一人でも何とかなりそうだが、基本的に人の手助けが必要だ。
病院のように最初からバリアフリーに設計され十分な広さがあれば車椅子は楽チンだ。最初は操作そのものにとまどったが、すぐ慣れた。前進はこぐだけだから簡単だ。回転やバックもゆっくりやればOKだ。これでだいたいどこへでも行ける。しかし坂があったらどうなのだろうか? 上りの場合後ろに引っ張られるからトルコンのようにたえず前方向に力をかけていなければならない。これは一人では無理だ。

車椅子は大きな車輪が二つと小さなキャスターが2つの四輪車だ。各車輪は独立していて、操作は大きな車輪の外側につけられたホイールを手で漕ぐ。片側の車輪を手で押さえつけ、別の車輪を押してやると回転する。押えられたほうの車輪を軸に回るから、自動車や自転車よりもずっと小回りがきく。左右を反対側に同時に漕ぐと遊園地のティーカップみたいだ。

車椅子といえば宇宙論のホーキング博士を思い出す。写真でみると彼の車椅子は少しホイールベースが長く、パソコンのモニタが取り付けられ、後ろに電源ボックスみたいのがある。背もたれは高い。しかし全体的にみればそれほど変わった構造をしているわけではない。でもホーキング博士が乗っていると車椅子が宇宙旅行の乗り物のような気がしてくる。

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