トラベルメイト Top page へ戻る

トラベルメイト片山くんが行く

<<前のページ  次のページ>>

  1. 【 片山くんが行く(13) 】

     4日ほど公園での野宿を続けました。食べ物は相も変わらず食パンと牛乳、たまにチーズとか果物、ハム。小便まで牛乳臭くなっていきました。公園の水飲み場とかトイレで顔とか体を拭いたりはしていますがだんだん薄汚れてきます。安宿でも屋根が付いた建造物の中と、野外の体の汚れ具合と日焼けの程度、服のヨレヨレ度、見る見るうちに差が付いてきます。

     所持金はもうとっくに100$は切っています。90$も切って80$強と言うところです。野宿していると落ち着いて所持金を数える場所と時がありません。それに所持金を数える気力もあまりありません。

     寝てるとき寝袋の中で腹巻きに手を突っ込んで、手触りの感触でお札の数を数えます。一枚は50$ですから、後二枚は10$札です。合計3枚しか有りません。後はクローネの小銭です。トータルでUS$80強、分有ると言うことは、私にとってUS$70とあとは$を交換したクローネしか有りません。明日は食費とか飲み物交通費の値段次第で、10$を、またクロ−ネに交換しなければならないかもしれません。

     町を歩いているときに自分たちの姿を、ショーウィンドウのガラスに写してみると、髪はぼさぼさ、くたびれて薄汚れたGパンにリュック姿。思ってたよりやつれていました。野宿たった4日間だけですけど。

    河本「こりゃちょっとまずいぜ、こんだけ薄汚くなったら、バイト無理かもな」

     私はあまり格好を気にする方ではありませんでしたが、河本の言うことも一理あります。毎日「アーバイト、アーバイト」と回ってはいましたが収穫はほとんどありません。

    河本「金使うのもなんだけど、YHでも行くか」

     YHは一泊大部屋でベッド一個5$から6$くらい。情報は、野宿仲間とか公園のボランティアから仕入れてあります。その日も、午前も午後も「アーバイト」の口はありません。夜、定宿にしている公園の芝生で河本と話し合いました。結論は明日起きてからと言うことで寝袋の中に潜り込みました。この日はさすがパラダイスに行く気にはなりませんでした。コペンに付いてから毎晩皆勤賞ものではあったのですが。

<<前のページ  次のページ>>

↑ページ最上部