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トラベルメイト片山くんが行く

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  1. 【 片山くんが行く(35) 】

     金髪2人、言葉が英語から多分デンマーク語に切り替わりました。2人ともこっちをちらちら見ながら、話しています。私は勘ですが、絶対こいつら今自分の荷物の中におみやげを入れていると見ました。視線が自分の肩掛けバッグの方に話しながら何回も行くのです。この頃、インドとかネパール風の肩掛けバッグが彼らの間で流行ってました。それの大きめなのが、2人が寝袋をひいている枕元の所において有ります。

     それ見せてもらえば話は終わりです。間違ってたら謝ればいいし、間違ってなければおみやげ取り戻して、どちらかがここ出れば良いわけです。当然私らここには既得権がありますので居座るつもりではありました。だって他に行くと来ないもんね。奴らは、自分の本国だから、何とでもなるじゃないですか。

    河本「ドウユウ、ハブ、アワー、スーベニア」

    金髪B「シット、ナジャラ、カンジャラ....。」 早口でとても私の英語の理解能力を超えています。2人組怒り始めたのは解ります。一瞬まずかったかなと思ってしまいました。私たち居候なのに、オーレ君の友人を怒らせた。しかし考え直しました、それがドウした!俺ら先住民族だ!金髪A、Bくんの後ろで両目の目尻を両手で押さえて横に引っ張っています。子供みたいな、陰険な奴です。

    金髪A「チーノ、ユー..........。」 同じく多分罵詈雑言を言ってるのでしょうが、良くわかりません。しかしこれで迷いは吹っ切れました。少なくともこいつら荷物盗ってないとしても、良い奴ではない。

     英語で喧嘩していたら言葉を考えている内に喧嘩は終わってしまいます。モードを日本語モード見切り替えました。なに喧嘩なんてのは勢いですから意味のある言葉を10個しゃべるより、それっぽい感じの言葉を100個しゃべった方が勝ちです。

    私「冗談じゃねーぞ、おい、今日の朝からここに入ったのはお前らだけだろう、しかも俺らここ泊まってんのはお前らより早いぜ、もの無くなってりゃお前ら疑われんのは当たり前だろ、ヒッピーみたいな格好しやがって。」日本語になれば口の達者なのは、河本より私の方です。ヒッピーみたいなと言っても、本当にヒッピー風でしたし、私らも似た様な物です。

     急に日本語か中国語になった訳ですから相手はちょっととまどいました。たどたどしく喋ってたのが、江戸っ子の啖呵になりましたので勢いが違います。河本が、相手の荷物を指さして、両手で物開ける仕草しながら彼らに近づきました。彼の方が私よりでかいから順番から言って近づくのは彼の役目です。

    金髪B「ファックユウ」彼は、叫びながらポケットからジャックナイフを取り出しました。こいつらヤッパ盗ったんだ!

     それは良いとしても、相手は、それぞれ、身長180cmくらい、2人併せて360cm以上、こっちは175cmと167cm、併せて342cm以下。ヤッベー。

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