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トラベルメイト片山くんが行く

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  1. 【 片山くんが行く(57) 】

     三々五々、生徒達が集まってきます。こちらを見ると、ちょっとびっくりしたような顔になりましたが、すぐにこっと笑ってくれました。半数以上が高校生とか、中学生くらいの子供で、大人は2.3人しかいませんでした。皆が一応集まると、壁に飾ってある仏壇風の神棚と言っていいものか、まあそんな風な神棚に向かって全員が「れい!」

     先生が、まず僕たちを紹介してくれました。デンマーク語なので何言ってるかわかりません。まあ。通り一遍等のことを当たり障り無く話してくれたと思います。

     普通日本の道場では、型からはいるのですが、ここでは柔軟体操の後は2人ずつペアを組んでいきなり組み手です。数分お互い組み手をやった後は、「やっめー!」のかけ声で休憩「しめー!」の声で再開です。どうも「はじめー」が最初の「は」が弱くなって「しめー!」になったようです。

     組み手やりながらみなの視線は、ちらっちらっとこちらを見ています。どうも謎の日本人2人連れは気になるようです。この日は道場全体が私達のために一種の興奮状態でした。頼まれれば、型とか組み手やっても良いと思っていたのですが、道場主の親父遠慮したか何も依頼してきませんでした。よほど日本人だから本場もんの、強い空手家と思われたみたいでした。

     そうそう、スポーツ関係と言えば日本のサッカーチームが試合に遠征してきたことがありました。ヨーロッパではサッカーが非常に盛んです。イブ君達のすすめもあって、ホテル休める奴は全員休んで、サッカーの応援に駆けつけました。私はリュックの中からとっておきの海軍旗を持ち出してスタジアムに行きました。スタジアムはほぼ満席、日本人など私達のグループ以外にはいませんでした。(いたかも知れませんが、少なすぎてわかりません)

     オーレ、オレ、オレとは言いませんでしたが、海軍旗を持って大応援です。と言っても私と河本と、ケンさんと後一人だったか、2人だったか。計4,5人です。試合は応援むなしく3−2で日本が負けました。3年ほど前のメキシコオリンピックで銅メダルとったチームです。当時はそれなりに水準行っていて、強かったのです。今のクロアチアチームみたいなものでしょうか。

     私なりにスタンドで大騒ぎしていたのですが、少しは目立ったらしく,TVにも中継されたみたいで、「サッカー応援に行っただろう、目立ってたよ」と、職場でもイブ君の家の近所でも数日は言われました。

     私も野球は良く知ってはいますが、サッカーはマイナーなスポーツでしたから日本から実業団のアマチュア選手が遠征に来たという感覚しかありませんでした。選手もまさかコペンのスタジアムで海軍旗持った応援団が現れるとは思った無かったらしく、試合終わった後グランドに入れてくれて話が出来ました。

     選手の名前は釜本とか杉山と言いました。監督の名前まで覚えていませんが、このときは確か長沼だったようなそうでないような。

     海外のサッカーの試合と言えば、ドーハとかジョホールバールの試合と言われますが、笑わせちゃーいけない、サッカーの海外遠征の試合と言えば、片山が海軍旗で応援した、コペンの一戦ですよ。コペンですよ、コペン!

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