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田森くんは西へ Index page へ

vol.029 香港 (2)

 

2日ほどで香港に着きました。船の中は今までの船旅の中で一番快適でした。 食い物は良い、部屋も一応ベッド付き、大きい船なのでローリング、ピッチングも少なく天候も晴れ。  

香港到着の時は、台湾の時のようには緊張はしませんでした。ちょっとは慣れてきたようです。  

青学三人組とバスに乗りホテルへ向かいました。途中迷って2,3回トラムを乗り換えましたがまあ、無事永安旅行社に到着しました。そこはビルの11Fだ ったか14Fのところで、入り口は旅行会社のカウンターがあり、その奥に2段ベッドが4個ずつ並んだ部屋が数個ありました。  

ベッド一個が一日500円弱、悪くはありません。YMCAはもっと高いに違いありません。当然お湯のでる設備などなく共同の水のシャワーしかありません。しかし値段が値段ですし、各国からの旅行者がたくさん泊まっています。数日後のバンコック発の日までここに泊まることに決めました。  

夜彼ら三人と一緒に屋台でも冷やかしに行ってついでに飯も食うことになりました。泊まっているビルの地下とか、裏手の路地の先にはちゃんとした門構えの店が何件かあり、ガラス窓に張ってあるメニューを見ると1HKDくらいからの物が張ってあります。それが何であるかは解りませんが、とにかく一品1HKDか ら注文できるようです。  

まだお金はありましたのでわざわざ、二十分とか三十分歩いて安い屋台に食べに行く必要もないのですが、この頃の旅行者が感染していた「現地で現地の人と同じ物を食べ」症候群に私も冒されていました。  

この症候群は旅行者の特に「無銭旅行」とか「貧乏旅行」とか「一人旅」とかの人達に60年代から感染し始めた症候群で、これこそが旅の王道で、これしかないと思いこんでいました。
今はこの感染症があまりにも広まりすぎ、パッケージ参加者さえちょっとの自由行動時間の間に「現地で現地の人と...。」と強迫観念を持って、すばらしいと思える体験を探し求めています。
自分からこの感染症にかからねばとさえ思いこんでいます。かえってこの感染症 にかかってない人が、変人呼ばわりされる今日このごろです。旅行マニアの人たち、とっくにこの感染症通り過ぎて別のことやってるのにね。  

さて皆疲れてはいましたが、適度な疲れは全身にアドレナリンがみなぎる興奮状態を呼び起こします。青学の先輩が去年行ったと言う屋台へ急ぎました。そこはフェリー乗り場の広場で何十件も屋台がでていました。  

海から吹く潮風と、裸電球がともった屋台、家族、友人、恋人等がぶらぶら歩きを楽しみそれぞれが好みの屋台に座って夕食を楽しむ。義務感からの強迫観念で屋台へ行くのでなければ、夕刻の庶民の集まる場所は暇つぶしに一番の所です。 精神状態のバランスも平常モードに戻る場所です。  

残念ながらこのときの私は、「現地」症候群からの屋台詣ででした。結果としては心が大変喜ぶ快適な物であったのですが、旅行ノートには「香港の庶民の生活が今日体験できた、これはジャルパックでは体験できないものだ」なんて書き付けています。  

ジャルパックで香港来たとしても、自由行動の時間が数時間あればまったく同じことができます。何を粋がっていたのでしょう、まったくね!