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病の細道

 

第37回 復活 (2002/01/30)

 

昨日から、インシュリン注射をやめて、ファスティック錠という薬剤に切り替えた。この薬は経口血糖降下剤で、すい臓のランゲルハルス島B細胞を刺激して自前のインシュリンの生成、分泌を促す。

体内で十分にインシュリンが作れない人は注射で直接補ってやらねばならないが、作れる能力が残っていれば、薬を刺激剤として活用して能力を高めることができるというわけだ。

きのうの朝食前の血糖値は140だった。これまでと同じレベルだ。食直前に薬を飲んだ。直前というのはまさに直前で30秒もしないうちに食事をはじめる。この薬は吸収が早いらしい。食事中や食後だと食べたものと混ざってしまって効果が出ないらしい。

食事後、横になって様子をみていたが、急激に血糖値が上がっていく感じもなくいつもと変わらない。昼前、血糖値を計った。2週間前にこの薬を試したときには250を越えてあわてたが、今回は176。食後3時間の値としてはまあまあだ。注射していた時と変わらない。薬は効いている。まずは安堵。

注射をしていた時は、夕方の血糖値測定で一日の最も低い値が出ることが多かった。これは昼食からの時間が5時間あり、即効性のインシュリンの累積的な効果が最大になるためらしい。夕食から翌日の朝食の間はもっと時間が長いが、注射の影響が無くなるためか値はすこし戻って高くなる。

薬剤の場合はどうか? 期待しながら測定結果をまった。127。やったぞ。B細胞君、エライ。復活だ。薬が効いた。

糖尿病の場合、一生にわたって血糖値をコントロールしなければならない。毎日のことだから、注射をしなければならないことに比べ、薬剤ですめばその負担は手間ばかりではなく、経済的にもはるかに少ない。

毎日注射をするのもジャンキーみたいで少し憧れたりもするが、それは本物のジャンキーに失礼というものだろう。軟弱な自分には、錠剤で済めばそれにこしたことはない。

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