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病の細道

 

第27回 糖尿病教室 (2002/01/20)

 

この病院では毎週土曜日に糖尿病教室がひらかれている。4週間をサイクルに毎回テーマが変わる。昨日は栄養指導外食編がひらかれた。

昼食を終え、横になっているといつのまにか寝てしまった。とりあえずメールも送ってしまったし、4時に足の傷口の消毒をするまで検査もない。と思ってゆっくりしていると突然看護婦さんに呼び起こされた。2時から糖尿病教室があるから行きましょうという。何かこのまま寝ているほういいなとも思ったが、いつもやさしくしてくれる看護婦さんには逆らえない。カメラをもって出かけた。

教室はちょっと大きめの会議室のようなところで、生徒は7人。講師は前に栄養指導をうけた栄養士の方だった。正面のボードには見覚えのある食品分類表がはってあった。脇にはボックス型のケースが何段かつみあげられていて、中にはプラスチック製の食品見本がごっそり入っていた。

講義の前半は前に個別に受けた指導と同じものだった。食品を6分類し、一日に食べる単位数(1単位80kカロリー)が割り振られている。それを3食に配分する。バリエーションは各分類の範囲内でのみ交換可能で、カロリーが同じであっても分類が違えば交換できない。こうすることで栄養のバランスを確保するわけだ。

後半はいよいよ外食について。大変だが家でつくるぶんはなんとか上のセオリーを守ったにしろ、外食の場合は素材すらよくわからないし、量の検討もつきにくい。いったいどうすればいいのか興味がある。

仕事や旅行での外食はさけられない。とりわけ旅行中のようにすべて外食ともなればどうすればよいのか? ましては外国の場合メニューすら読めない国もある。はじめてだと予想通りのものがでてくることはほとんどない。こんなときはどうすればいいのか?

渡された資料をみて少々落胆した。マクドナルドのハンバーガーなどの細かいデータはあるが、自分はほとんど食べないものばかりだ。沖縄だからかもしれないがカレーやラーメンの例はない。世界中どこにでもある中華料理の例もない。

何事にもよくあることだが、細かい部分に関しては詳細でも一歩はずれると全くおおざっぱ。理論は良いとしても実用的には破綻しているように思える。もっと大きなガイドラインが必要なのではないか。

話のなかにはいくつかのヒントもあった。穀類は1食あたり握りこぶしぐらい、バナナ3分の1、肉魚は手のひら、野菜はたくさん。これなら目安になる。

またできるだけすい臓のインシュリンの分泌に負担のないように、1回の量をへらして食事の回数を増やしたほうがよい、というアドバイスもあった。これはとっても納得がいった。インシュリンの製造を平均化すれば、1度にたくさん食べて一時的にフル生産するよりもB細胞君にはやさしい。
1日分まとめてのドカ食は避けなければならない。

さらにインシュリンの分泌をゆっくり促すために、できるだけご飯を食べるとよいとのこと。これもいいヒントだ。守れそうだ。でも旅行中は、米なんかでない国のほうが多いので難しいかもしれない。

講義は全体としてとてもこまかく、何を何グラムという感じで少々食傷気味になってしまった。ドラ焼きは0.7個とか書いてあったが、3分の1残してどうしろというのだろうか、などと悩んでしまった。

あまりに厳格に食事を守るのはストレスになりそうだ。厳しく食事を制限してダイエットに挑んだあげく、逆にリバウンドになる女性も多いらしい。糖尿病も食事だけではなくストレスも大きく関与しているとすれば、いたちごっこになりそうだ。

ヤレヤレ厄介だ。先が思いやられるなどと考えていたら、これもストレスになりそう。もうどうにかしてくれー。


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